准教授になる年齢の到来(団塊ジュニア)

団塊ジュニア世代(第二次ベビーブーム世代:1971-1974生まれ)が大学生になりはじめた頃(1990年以降)に,
東京大学を皮切りに大学院重点化がはじまった。

彼らが博士の学位を取得するころ(1999-2002年)には, 旧帝大などの主要大学で全部局が重点化され,
大学院定員が急激に増加し, 多くの「将来の大学教授候補」が育てられた。



また、これらの団塊ジュニア世代の教授候補たちは, 文部科学省が1996年度から2000年度の5年計画として策定した施策である
「ポストドクター等一万人支援計画」とその後に続いた教育研究拠点形成、COE(center of excellence)の予算などで、
前回話題にした「大学の教員等の任期に関する法律(1997年成立)」の制定によって可能となった特任教員

任期付教員などに採用され, 教授をめざすキャリアパスをスタートさせた。



そんな同世の教授候補が大量に居る, 競争の厳しい世代である団塊ジュニア世代も, 今年で(41歳-38歳)となるが,

准教授, 教授になっている人たちはどの程度居るのだろうか?

以下に東大と筑波大の教員の年齢構成の情報を示す。


教員の年齢構成(東京大学)

教員の年齢構成(筑波大学)



どちらも平成22年度のデータなので、このときは団塊ジュニア世代は36-39歳である。

東大の教員構成のデータで36歳ー40歳が団塊ジュニア世代と考えていいだろう。



団塊ジュニア世代の東大教員が100人居たら, 27人が准教授, 10人が講師, 61人が助教, 2人が助手である。

なんと、6割以上が助教なのである!



では今後、この6割の助教はどうなっていくのであろうか?


教授・准教授である団塊世代(第一次ベビーブーム世代:1947-1949生まれ)は今年で
(65歳-63歳)となり, 多くの65歳定年としている
国立大学法人で, 定年退職ラッシュがはじまる。



この辺りの事情は9年前の記事だが, 「博士の生き方(「数字で見る博士課程修了後, 第18回 あと5年待て!」)」に詳しい。

この「博士の生き方」で解説されている図1「平成13年大学教員の年齢構成」
でピークのある52-54歳のピークがついに退職を迎えるのである!

その意味において, 現在占有されている教授・准教授ポストが団塊ジュニア世代に
多くまわってくるようになるのは間違いない。



しかし, 運営交付金の削減によって定年退職後のポストは没収, というケースもあると聞くが、、、
とにかく我々若手研究者にとっては, 日々論文を書き、学会活動に勤しみ、教育も手を抜かず、
貪欲に外部資金を取得し、、、というように人事を尽くして天命を待つしかない。



さぁ、団塊ジュニアテニュアを持たざるポスドク助教たちは
このチャンスを逃さず、准教授、教授をめざせ!