大学教員の仕事は「考える」ことである。

大学教員は日々の講義や日々の研究で常に様々なことを
考える仕事である。

どのように講義の構成をしようか、どうすれば判り易く学生に伝わるか。。。
どのように研究をすすめていくか、どのように研究成果をまとめるか。。
新しい研究テーマを考えたり、優秀な学生獲得戦略を考えたり。。。

特に研究には「新しいアイディア」が必要であり、「世界初」の研究成果でないと意味がない。

このように、日々「考えること」を仕事にしている職業は何も大学教員だけではない。
広告会社の人々や、一般企業に勤める人々もそうであろう。日々様々な企画を考え、
それらについて議論し、コンセンサスが得られれば、それを業務として実施するのである。


では皆どのようにして効率的に「考えること」によって、
日々新しいものを生み出していっているのだろうか?


そのような疑問にこたえてくれる本が世の中には数多くある。「企画書」に関するノウハウ本である。
例えば、

企画書 つくり方見せ方の技術―誰も教えてくれなかった超テクニック (スーパー・ラーニング)

企画書 つくり方見せ方の技術―誰も教えてくれなかった超テクニック (スーパー・ラーニング)

など、オススメの本である。twitterで幾度か引用したが、例えば企画文書がなかなか書けない人の
ための助言が書いてある。これは論文がなかなか書けないときにも役立つ助言で、要約すると、

初稿は推敲をせずに一気に書く、走るように書く。水泳に例えるなら、息継ぎせずに一気に泳ぐ。センテンスは短く、書きたいことから書く。主張、結論から書く。自分がいちばん言いたいことから書く。自分が他の研究者へ伝えたいことは何か?思いついたら忘れないうちにどんどん書く
August 10, 2013

となる。筆がすすまないとき、参考にするとよいだろう。

また、広告企画の人が書いた本「考具」にもとても参考になることが書いてある。

イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない

これはもともと、文末に示した書籍「アイデアのつくり方」に載っているとのことである。
そして、新しいアイデア

少しだけ新しくても「新しい」のです

ということで、新しい研究テーマを考える際にも参考になる。
少しだけ新しくても「世界初」の研究なのである。
また、この本では「考具」(考える道具)として、21個のやり方が書いてある。
例えば、「マンダラート」。
①一つのテーマについて9マスの紙の各マスを埋める。
②そのうちの重要な幾つかについて、さらに9マスをつくってキーワード・文章で埋める。
などである。これでどんどんアイデアがでてくる。これは頭の中を空っぽにして、アイデアを出してから
よいものを選ぶ、という行為である。

アイディアや企画につながる頭の使い方は、拡げて絞って、また拡げて絞る。
拡げるときには奔放に。
絞るときはシンプルに。

と、企画文書も論文の初稿を再構成して推敲するときも、まさにブレーンストーミング
なのである。
イデアを出しまくって、さらにそれを絞ってシンプルな文書にして論文として出版する。

前回も書いたが、
イデアを形(論文)にまでもっていかないと、研究者としての未来はない。
多くのアイデアを論文にして、教授をめざせ!


アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方

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