テニュアトラック時代の到来

物事が進んで行く速度が一昔前に比べてどんどん加速していっている昨今である.
大学の制度も速い勢いで変わって行く過渡期である.

最近tenure track(テニュアトラック)という言葉をよく大学教員の公募/採用情報として目にすることが多い.
そもそもテニュアトラックとはなにか.
例えば北陸先端大のページの説明を引用すると

テニュア・トラックとは、若手研究者が、厳格な審査を経てより安定的な職を得る前に、
任期付きの雇用形態で研究者としての経験を積み力量を試されるコースのことです。
米国の有力な大学では、このテニュア・トラック・ポストでの業績が認められた者が任期を付けない教員のポスト
(「テニュア付教員」)になるという仕組みが一般的です。

大学教員の人事制度としてのテニュアトラックは文科省の旗ふりのもと巨大な予算が投入されている.
これらは「人事の適正化に関する目標」として教員の流動性を高めるための任期制の導入が
独法化後の各国立大学の第一期(2004-2009)中期目標
記されている様に進んできた流れの次の展開である.このテニュアトラック制度
来年からの第二期(2010-2015) 中期目標において記され,今後ますますそこかしこで聞かれる様になるであろう.

以下はたとえば北大

北海道大学は、第二期中期目標・中期計画策定大綱(平成20年4月)に「世界水準の人材育成システムの確立」を掲げ、
テニュア・トラック制度の充実を図るため、基礎融合科学領域リーダー育成システム事業を推進しています。

とのこと.

今後新しいキャリアパスとして

大学院卒(博士)→ポスドク(2-5年)→助教(任期 2-5年)→(厳しい審査)→准教授(任期なし=テニュア)→教授

というのが教授をめざす標準的なキャリアパスになるのだろうか.
先の昇進がみえる,予算的にもバックアップのある助教であれば制度としては上手く機能するのではと考えられる.